「えー、それでは被告人は入廷してください」
「・・・ん?俺かよ?」
「では、裁判長、開廷を」
「それでは、これより開廷。
とりあえず被告は入廷初回特典で死刑」
「は?いきなり無駄にデカい画像で出て来て何言ってやがんだヘルおばちゃん」
「・・・死刑・・・っ!」
「きゅぅ~・・・」
「あの、ロードオブデスさん、死刑判決にしても、もうちょっと法廷手順を・・・」
「む、それはすまなんだの、ドッペルゲンガー殿。
しかしその呼び方、今の我は・・・」
「そうでした、ヘルさんとお呼びすべきでしたね、この状態の時は」
「いてて・・・開始20秒で勝手に人を死刑にしやがって、何だっつんだよコラ。
大体なんで裁判長とかやってんだ」
「ふん・・・過去と現在、そして未来・・・永き一瞬も、無常の久しきも、等しくただ過ぐるのみ・・・
うたかたを眺むるのみのこの身の不自由・・・塞がりの夜を払う鶏鳴、ニンゲンには荷が重いかの」

「単に『ボケるほど長生きしてる暇つぶしに俺を死刑にしてみます』としか聞こえないんだが」
「・・・ほぅ、ニンゲンも少しは利口になったか?」
「当たりかよ!てかふざけんな!だからなんで裁判長なんだよ!」
「我が名はヘル。その我が裁きを下す・・・
これが本当のヘルジャッジメントですの」
「ただのダジャレじゃねーか!
それに何が『ですの』だ。ちったぁテメーの歳考えろっつの」
「・・・死刑・・・っ!」
「きゅぅ~・・・」
「く、くそ、一度ならず二度までも・・・」
「あのー、ヘルさん、すいませんがとりあえず形式上だけでも、
一応の裁判の体を・・・」
「おお、これは面目無い。ではそこのかしわぎ死刑囚、申し開きがあれば言うてみぃ」
「・・・オイ、どうあっても死刑ありきかよ」
「そうですよ、裁判長。さすがに判決前から『死刑囚』では、裁判として少し問題かと」
「なるほど、ではそこのかしわぎ終身名誉死刑囚、申し開きを述べよ」
「ふむ、なかなか凝った肩書きですね」
「・・・肩だけに?ああなんかもういいよそれで。で?罪状は何なんだよ?
俺、別に事件も事故も起こしてねえだろ」
「ゆっりゆっらっらっらっらゆるゆり♪」
「ゆっりゆっらっらっらっらゆるゆり♪」
「ゆっりゆっらっらっらっらゆるゆり♪」
「だっいっじ・け・んっ!」
「ほれ起こした」
「ゆ、誘導尋問だぁっ!!」
(・・・・・・尋問・・・?)
「むぅ、やはり俺様ちゃんのカッコよすぎるのが罪なのかっ?!」
「シラを切るならもう少し考えて喋るが良い。
・・・汝の罪状はこれぞ。知らぬとは言わせぬ」
「ん、それ俺の日記じゃん」
「いかにも。そして『日記』と称しておきながらこの更新の停滞ぶり・・・
『怠惰』は大いなる罪ぞ」
「はぁっ?!俺の更新頻度なんかテメーに関係ねえだろ!」
「いや、そうは言っても閲覧しに来てくれてる人もいるのに、
こんだけほったらかしだと申し訳ないだろう?」
「くっ、ドッペル、さっきからサクっと俺の死刑裁判の議事進行しやがって。
何なんだよテメー」
「司会兼検事だよ」
「剣士が検事で執行後は検死もします、ってか?なんだよそれ」
「まあ、そのような事はどうでもよい。早よぅ死刑と洒落こもうではないか」
「シャレで死刑んなってたまっかボケ!大体なんだこの裁判もどきは!
弁護士の一人でも連れてきてみろっつんだよ!」
「お、すまぬすまぬ、失念しておったわ。
では、弁護人は入廷いたせ」
「はーいっ!(≧∇≦)」
「衝撃のままごと弁護人っ?!」
「じゅうようさんこうにんの、マリオネットだよー!(≧∇≦)」
「一言の弁護もないままサラっと俺に極めて不利なクラスチェンジを・・・」
「のう、マリオネットの嬢よ。この者の死刑、賛とするならこの飴玉をくれてやろう」
「不正です。今、私の目の前で不正が公然と行われています」
「・・・マリオネット、そういうのはいけないとおもうの!」
「おお!よく言った!えらいぞマリオネット!!」
「・・・では、このケーキも付ける、と言ったら?」
「・・・ま、まま、マリオネット、そそそそういうのはいけない?と?」
「やべぇ、思いっきり動揺してんじゃねえか!
ええい!やっぱりガキはアテにならん!ちゃんとした成人の弁護人はいないのかよ!」
「ええ?贅沢だなぁ・・・じゃあ、次の弁護人どうぞ」
「こんばんは・・・カプラサービスは・・・
いつでもおそばに・・・」
「おっ、ニブルのデスカプラさんか!実戦で何度も世話になってるし、
安心と信頼のカプラブランドなら常連である俺の弁護もバッチリだな!」
「ガブっち」
「ギャース!!
い、いきなり噛み付くんじゃねえええ!」
「・・・モグ・・・モグモニュ・・・モグ・・・ゴクン・・・
・・・お客様、最近カリウムが不足気味・・・ですね・・・?」
「知るか!!人の肉噛み千切ってんじゃねえ!」
「・・・昨日の夕飯も・・・当てて見せましょう・・・ちくわの磯部揚げに・・・冷奴に・・・」
「そんな特技、披露せんでええわ。それより弁護はどうしたよ」
「・・・私としては・・・血のしたたるような・・・新鮮な生身のままで居てくださった方が・・・
・・・色々と・・・ありがたいのですが・・・じゅるり・・・」
「・・・一応、弁護って事でいいのか?これ?」
「解体ショー開催希望、と取れぬでもないがの。
しかし汝も不摂生をしておると肌が荒れるぞ」
「はっはっはっは!ぴちぴちの俺を捕まえておばちゃんが心配とは笑わせるぜ」
「・・・死刑・・・っ!」
「きゅぅ~・・・」
「くぬぉ・・・ポンポンポンポン死刑にしやがって・・・
残機減るじゃねえかよ」
(・・・残機制だったんだ・・・)
「ふむ、では残機潰しで遊ぶのも一興やも知れぬの」
「残機尽きるまで、私は戦う!」
「あの、ヘルさんすいません。
それやりだしちゃうと1000万点+αで収拾がつかなくなるんでやめてもらえます?」
「む、それはいかん・・・失敬した。
ニンゲン、命拾いしたな」
「今更何が命拾いだふざけやがって。
ちくしょう、他に弁護に相応しい人材はいねーのかよ」
「他に、ねぇ・・・
そういや、君のとこのサード剣士もいたんじゃないの?呼んでみれば?」
「お、なんだ、フィールもいんのか。おーい、フィールーっ」
「・・・うふ、うふふふふふ・・・あははは・・・くす・・・くすくすくす・・・」
「ええい!悠長に電波浴びてんじゃねえ!しゃっきりしやがれ!オイ」
「・・・な・・・に・・・?死・・・・・・刑・・・?主役・・・交代・・・・・・?
・・・・・・うふ・・・うふふふふ・・・・・・くすくすくす・・・・・・」

「だーっ!コイツもダメだー!
ってか身内が今までで一番の死刑推進派かよ!!」
「人徳だね・・・」
「まぁ、そういう事じゃ。諦めもついたであろう?
そろそろ観念してはどうか」
「いや・・・まだだ!まだ最後にコイツがいる!!
おいドッペル、お前、俺の弁護士やれ!」
「はぁ!?アタマ大丈夫かい?
どこに被告の弁護士を兼任する検事がいるっていうんだよ?」
「るせぇ!俺が剣メストの最新号をいつも読ませてやってる恩を忘れたのか!」
「最新号って、アレ、君の二ヶ月前の読み古しじゃないか」
「それでもゲフェンのド田舎じゃ早く読める方だろうが!
それに、あまりごちゃごちゃ言ってるとお前のβ1時のカード図柄について言及せざるを得んが?」
「くっ・・・!やるよ・・・!やればいいんだろう?!」
「なかなか りかいが はやい。
お前のそういう所は嫌いじゃないぞ、くっくっく」
「ほう、これは変わった趣向。
してドッペルゲンガー殿、どのようにこやつを弁護なさるおつもりかの?」
「んー・・・ヘルさん、死刑執行したら、その魂は何処へ行く事になりますかね?」
「それはヴァルハラか、ニブルヘイムであろう。
もっとも、こやつがヴァルハラに行けるとは到底思えぬが」
(・・・俺、ヴァルキリーから直々にsign貰ってんだけどなー・・・ダメなんかなー)
「そうです。となれば今回死刑を執行すれば、魂はニブルヘイムの新たな住人となる事でしょう」
「・・・・・・ん・・・?・・・あー・・・
ちょ、ちょっと待たれよ。コレが?そのまんまコレが我が領の住人になると?」

「死者の王、ヘルさんならば誰よりもそのあたりの事情はご存知なのでは」
「っイタタタぁ~、それは灯台下暗しであったわ・・・そうかぁ、コレが我が領に・・・
絶対にルードあたりから苦情出るであろうな・・・綱紀粛正が面倒な事に・・・」
「では、そちらも加味された上で判決を」
「ああもうよい。我は静かで気品あるニブルヘイムを好んでおる。汝は今しばらく地上にて存命し、
あわよくばくたばった後もそのまま地縛霊として地上に留まりニブルヘイムに来ぬよう致せ」
「なんか、死刑は回避したけど後半ものすごい勢いでディスられまくってた気がする・・・」
「これにて一件落着!」
「ふぃー、やっと終りやがった。まあいいか。まったくいい災難だったぜ。
おう、用が済んだら慰謝料置いてとっとと帰れやババア」
「・・・死刑・・・っ!」
「きゅぅ~・・・」
「・・・あのさ、少しは学習能力ってものを身につけたら?
せっかくやっと裁判終わってやれやれってとこなのに」
「はっはっは!今のは閉廷後の事件だからな!
コイツをネタにタカってユスってボッタくってやんぜ!さあ!訴訟開始だ!」
「帰ってくれないか、ホントに」
<次回予告>
宮の前の祭り思わぬ。はらから、親族の仲。
オーラのつづら折りといふ道。
次回、ラグナロクオンライン第331話
「近くて遠きもの」
つづらなる道すがら、いざつづらん。
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